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仲介手数料「0円」でも会社が成り立つしくみとは?

不動産売却を検討していると、よく目にするのが「仲介手数料0円」という広告。この言葉だけを見れば「お得に売却できる」と感じる方も多いでしょう。しかし、そもそも仲介手数料を無料にして会社はどうやって利益を出しているのか? その仕組みを知ることで、安心して選択肢を比較できるようになります。

実は「0円」は合法。上限だけが決まっている

まず前提として、仲介手数料の「上限」は法律(宅地建物取引業法)で定められています。

仲介手数料の上限 = 成約価格の3.3%+66,000円(税込)

ただしこれは「上限」のみの定めであって、「無料」にしてはいけない、というルールではありません。つまり、値引きや無料サービスは違法でも脱法でもなく、ビジネス戦略の一環に過ぎません。

この点を踏まえたうえで、「なぜ0円にできるのか?」というビジネスモデルをいくつか見ていきましょう。


よくある「0円仲介」のビジネスモデル

1. 買主側からのみ手数料を受け取る(逆両手型)

売主からは一切手数料を取らず、買主からだけ満額(3.3%+66,000円)を受領するスタイルです。

  • 例えば5,000万円の物件なら、買主から約171万円の収入が見込める。
  • この場合、売主にとっては「0円」だが、会社は十分利益が出る。
  • 実務では「一般媒介+囲い込み」でレインズ(不動産流通機構)への登録を避け、自社で買主も見つけて両手仲介にするケースが多いのが特徴です。

📍 代表例:リクロス株式会社


2. 買取業者から手数料を受け取る(法人売却型)

売主は個人であっても、仲介相手がリフォーム再販を前提とした買取業者であれば、業者側から手数料を受け取ることで成り立ちます。

  • 再販利益を見込んでいるため、業者は片手分の仲介手数料を支払ってくれる。
  • 売主からすれば「手数料0円」で現金化が可能。
  • ただし、この場合は買取価格が相場より低くなりやすい点に注意が必要です。

📍 代表例:ロータス不動産


3. 自社買取・再販モデル(仲介ではなく買主になる)

一部の「0円査定」「即日現金化」を掲げる業者は、そもそも仲介ではなく、自社が買主となるケースです。

  • 仲介手数料は発生しませんが、業者は転売益を目的としているため、買い取り価格はかなり低めになる傾向があります。

4. IT × 薄利多売モデル(集客特化型)

新興企業によく見られるのが、ITを駆使して固定費を抑え、大量処理で利益を確保するモデルです。

  • 店舗や人件費を極限までカット。
  • オンライン広告などで集客し、仲介手数料を取らずに案件を回転させる。
  • アメリカの「売主負担ゼロ」文化を日本向けにアレンジしたもの。

📍 代表例:HowMa(ハウマ)


売主が気をつけるべき5つのチェックポイント

「0円仲介」には当然メリットもありますが、注意点もいくつか存在します。以下のようなリスクに留意してください。

リスク具体例背景
価格が下がりやすい相場4,000万円 → 3,800万円で早期成約早く決めて買主から手数料を取りたいインセンティブ
情報が広がりにくいレインズ未登録・囲い込み他社に客付けされると利益が出ないため情報を絞る
有料オプションが多い測量・写真撮影・ホームステージングなど手数料ゼロの代わりに付帯サービスで課金
契約解除しにくい一般媒介なのに実質1社専任REINS登録を避けるため複数依頼を断るケース
査定額のブレ高値提示 → 後日「値下げしましょう」専任媒介を獲得するために“釣り査定”を提示

📍 ※Staylinxによる解説も参考に


「0円仲介」を選ぶ前に確認すべきこと

以下のような視点で業者の仕組みを確認することで、後悔のない判断ができます。

  • 媒介契約の種類とREINS登録の有無
     → 一般媒介で「登録しません」と言われたら囲い込みの可能性あり。
  • 買主側手数料の明細
     → 運営収益の内訳を確認。「買主から満額」で成立するか?
  • 追加費用の有無
     → 測量、境界確認、写真撮影などが有料になっていないか。
  • 査定の根拠と販売戦略
     → 価格の下げ時や販売期間に関する具体的提案があるか?
  • 比較見積りの取得
     → 通常の3.3%+66,000円の仲介会社とも比較し、最終的な手取り額売却スピードを冷静に判断。

まとめ:仲介手数料0円=損得の判断基準ではない

「仲介手数料0円」は法的に問題のないディスカウントですが、実態としては「買主から手数料を取る」「買取業者から収益を得る」など、別のところで利益を確保しているに過ぎません。

その結果、囲い込みや情報非公開といった販売戦略が行われ、結果的に売主の手取りが減る可能性もあります。

だからこそ、「提案内容を鵜呑みにしない」ことが大切です。
媒介契約の種類、販売の透明性、追加費用の有無などをしっかり確認し、複数の業者と比較することが、安全かつ高値売却への最短ルートになります。